2014年06月09日

Ch2 ⑨

Or mon petit bonhomme ne me semblait ni égaré, ni mort de fatigue,


ところで、その小さな坊やといえば、道を見失って、困った風でもないし、疲れて死にそうとか、


 ni mort de faim, ni mort de soif, ni mort de peur.


お腹が減って死にそうとか、のどが渇いて死にそうとか、怖くて死にそうとも思えなかった。


Il n'avait en rien l'apparence d'un enfant perdu au milieu du désert, à mille milles de toute région habitée..


彼には、人里から千マイル近く離れた砂漠の真ん中で迷子になった少年という風情がまるでなかったのだ。



文法構造の注意点


Or 「さて、ところで」 or は、(結論に行く前に)話題を少しだけカーブさせる。


S me sembler + (属詞) 「Sは私には~のように見える」


mort de N 「Nで死にそう。Nが原因で死にそう」


ne en rien は ne rien の強調で「まったくない」の意



意味上の注意点


mon petit bonhomme の所有形容詞の mon は「私の」と訳すととても不自然。


だから、定冠詞的に私が話題としているという形で考える。 話題の坊やと訳してもよい。


égaré は少し語彙のレベルが高い。「迷える羊 (brebis égarée )」等で使う。


多くの場合は類推になることになると思う。その場合は、perdu 「道を見失う。迷子になる」が参考になる。


作家は同じ語彙の繰り返しを避けて、言い換える傾向がある。




Posted by takeya at 15:15│Comments(0)
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